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暮らしと照明vol.02 「照明の数値」

2019.10.07

今回は以前書かせていただいた暮らしと照明vol.01の続編になります。

光の明るさについて

前回は照明器具の種類についての内容でしたが、今回は照明の灯す「光」について書かせていただきます。
照明の光を構成するのは主に2つの要素になります。
まず1つは皆さんが第一に気にされる「明るさ」です。
照度と呼ばれ「lx =ルクス」もしくは「lm =ルーメン」という単位で示されます。
lxは光を受けた対象物の表面の明るさを示し、lmは照明の光の強さを示します。

一般的に明るいほど脳は活性化され暗いほど停滞し落ち着くと言われています。
なので勉強や作業をするときは明るいほうが効率が良く、眠るときや休むときは暗いほうが適していると言われています。

光の色味について

明るさに加えてもう1つの光の要素が光の「温かみ」です。
色温度と呼ばれ「k=ケルビン」という単位で示されます。
白熱電球のような温かいオレンジ色の光は色温度が低く、白い明かりの蛍光灯ように涼しげな光は色温度が高いです。

一般的に色温度が高いほど脳は活性化され、低いほど脳は静隠で落ち着くと言われています。

光の明るさと温かみの組み合わせ

光は照度と色温度、2つの組み合わせ次第で快適さがかわってきます。

この表は光の照度と色温度の快適な組み合わせの分布を示した図になります。
図から白熱電球のような温かい光の場合は低めの照度が快適な明かりである事がわかります。
一方、白色蛍光灯のような冷たい光の場合は明るい照度が快適と言えます。
つまり光は温かい色と冷たい色とでは快適な明るさが違うことになります。
それぞれの色味で最適な明るさをシミュレーションしてみましょう。

心安らぐ照明


こちらのCGは色温度が温かい2700kで照度は暗めの150lxで明かりをシミュレーションしたものになります。
温かみがあり落ち着いた雰囲気で休むのに適した組み合わせの明かりです。
近年、温かい光が日本の住宅に取り入れ始められたのは、家はより休む場であるべきという考えが反映されたためでしょう。
また、ゆっくり読書をしたり、クリエイティブな作業をするのにも向いていると言われており、2時間以上の作業に向いています。

目も覚める作業に集中できる照明


こちらのCGは色温度が冷たい5000kで照度は明るめの750lxで明かりをシミュレーションしたものになります。
目が覚めるような爽やかさで勉強や作業をするのに適した明かりです。
ただ人が集中できる時間は2時間までと言われており、脳を長時間活性化させると疲労も溜まります。
短時間、集中して作業するのに向いていると言えます。

あなたにあった光は?

私たちの日々の研究や、先人の文献からも光について理論付けることはできますが、人それぞれライフスタイルも仕事や勉強の内容も好みも違います。
大切なのは自分の暮らしに合った明かりを見つける事です。

人によって好きな色が違うように好きな光も人それぞれ違うでしょう。
時間や部屋の用途によって使い分けるのも良いかもしれません。
近年は光の明るさも色温度も調節できる「調光調色機能」付きの照明も多く出てます。
作業中は集中モードの光に設定し、休憩中は休憩モードの光に変更してオンとオフを使い分けるなんてこともできます。
あなたも理想の光を探して、暮らしを楽しみましょう。