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木のお話 STORY.03 「木の香り成分の効果1」

2019.10.07

前回に続いて木のお話です。

ホッとする木の香り

温泉でヒノキ風呂に入った時にヒノキの良い香りを感じてホッとしたことがあると思います。

日本人であれば誰もが好きな香りです。

私も大好きです。

それ以外にも人のお家にお邪魔した時に木の香りが漂っており、なぜだか落ち着いたという経験もあるでしょう。

では、なぜ木の香りを嗅ぐと落ち着くのでしょうか?

それは木から揮発する香り成分「セスキテルペン類」が人に作用しているからと言われおります。

人は匂いや香りなどを嗅覚で感じ取ると、感情や本能、記憶をコントロールする大脳辺縁系に直に作用し様々な影響を受けます。

 

木の香り成分「セスキテルペン類」の効果

セスキテルペン類の効果として、自律神経系に作用しストレスの軽減や自然な眠りを誘発することが科学的に明らかになっております。

観測されたデータとして呼吸数の減少、血圧や脈拍の低下、気分の落ち着く時に現れる脳内のα波の増加があります。

木の多い場所がリラックスするのも納得です。

 

「木の家」と「非木材の家」を比較。

木の香り成分セスキテルペン類が人をリラックスさせてくれるなら、当然その恩恵を受けたいものです。

では木を多く使った家では多くのセスキテルペン類が揮発されるのでしょうか?

そしてその効果は続くのでしょうか?

 

・木の家:天井も壁も床、構造材に至るまで国産の杉無垢材で建てられた家

・非木材の家:天井と壁は木目のビニルクロス、床は樹脂塗装フロア、構造材は国産の杉無垢材で建てられた家

 

この2つの家で実験した結果が下の表です。

まず分かるのが「木の家」が「非木材の家」に比べて木の香り成分の量が2倍程度多いということです。

やはり木を使っている量が多い分、差が出てます。

非木材の家も床には天然木の合板を使っていますが、樹脂塗装でコーティングされいるため香り成分が揮発しないこともこの差を生んでいます。

また無垢のフローリングを使用しても樹脂塗装が施されていると、せっかくの香り成分が揮発されにくいので要注意です。

自然オイルなど木が呼吸できる塗料をオススメします。

次に表から分かるのが季節により木の香り成分の量に差があることです。

これは木の香り成分量が温度の影響を受けやすく夏の高い気温時のほうが多く揮発されるためです。

ヒノキ風呂があれだけ香りがしっかりするのも、温泉の温度が高いことが理由としてあげられます。

年数が経っても香り成分の量が減っていかないこともグラフから分かります。

次回は「木の家」と「非木材の家」で暮らすと暮らしにどういった効果の差が生まれるか書かせていただきます。